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シングル苦境を乗り越えるためのヒント

【目次】

    千代田区、中央区、港区などの都心の賃貸物件の家賃が軒並み上昇しています。

    コロナ禍を機に一部屋多いお部屋を求めて郊外へ移住することがトレンドとなったこともあり、ワンルームなど、単身者向けのシングルタイプの物件はファミリータイプの物件に比べ苦戦が強いられています。

    2023年になってからは徐々に例年並みに動きがでている実感はありますが、適切な賃料が設定されていないお部屋や、内装、設備、サービスなどが現在のニーズにうまく応えられていないお部屋は空室が長引く現状があります。

    伸び悩むシングルタイプ物件の需要に対して、どのようにこの苦境を乗り越えるのか。これから求められるニーズを交えて、そのヒントとなる情報を紹介します。

     

    入居者のニーズは意外なところに

    スーモリサーチセンターによって行われた、2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)によれば、「24時間出せるゴミ置き場」は設備満足度で6年連続で1位に挙げられており「宅配ボックス」「非接触キー」「遮音性能の高い窓」など、多様化した生活様式に適応した物件が選ばれています。(参照:2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏) オンライン内見実施者が3割近くに増加 魅力を感じるコンセプト1位は「防災賃貸住宅」 (SUUMO リサーチセンター))、「24時間出せるゴミ置き場」という条件は今ある物件に付与できる簡単なサービスではありませんが、入居者のニーズというと最新の設備や、水回りのリノヴェーションを思い浮かべるオーナーにとっては意外に思われるかもしれません。

     

    外国人・高齢者・LGBTQ・障害者でも契約できる賃貸物件

    少子高齢化の問題も深刻です。令和4年9月1日時点で、15歳未満人口は 1452万3千人。(参照:統計局ホームページ/人口推計(令和4年(2022年)9月確定値、令和5年(2023年)2月概算値) (2023年2月20日公表))前年同月に比べ減少していることからも、大学生や新社会人のニーズに応えるだけでは需要に応えることは難しいと言わざるを得ません。外国人・LGBTQ・障害者・高齢者の人々が契約できるような物件を提供することも衰退する大学生・新社会人需要への対抗策となるでしょう。

    入居の理由、退去の理由は人によってさまざまですが、多くの選択肢があるなかでこれから生活する大切なお部屋を決断するには必ず理由があります。地域や賃料帯によっても求められるニーズは変化していきます。投資用でワンルームを所有しているオーナーにとっては様々な状況に気を巡らせ、キラリと光る条件をお部屋に付加する必要があるようです。